kunirov’s diary

書きたいこと書いてます

キャンプ、跡を濁さず

キャンプといえば焚火。

流行りの焚火台とかじゃなく、直火のほう。薪をメラメラさせながらウイスキーを一杯、二杯と夜が更けていく。その静かで緩やかな時間が最高なのです。

 

最近は直火禁止のとこが増えて~とよく言われるが、思えばかなり昔から直火は禁止が多かった気がする。


直火OKだったとこが禁止になる以外に、キャンプ場自体が閉鎖されたりするのも多いんじゃなかろうかと思ったりする。今みたいにネットで情報を引っ張れる時代ではなかったから、実際のところはわからないけど。

 

個人経営のキャンプ場はそういう意味では緩いルールだったりして、使い勝手が良かった。有名どころのキャンプ場はもうほとんど直火禁止。


僕らが良く使わせてもらってたキャンプ場は小規模だったけど、直火については何も言われなかったんだよね。だから林の中でもかまど造って焚火できた。


考えてみたら林の中は枯葉とか枝とか燃えるもの一杯だし、管理者にしてみたら山火事の心配もあるから直火禁止なんて当然だけど。しょっちゅう行ってたからなんも言われなかっただけなのか、ただ緩かっただけなのか、今になってはそれはわからない。

 

もちろん、かまど造る際にそのあたりは注意して、整地して焚火エリアを作ったり、万が一の消火用水を用意したりと気を使ってはいた。


帰る際はかまどはバラシて、かまど跡は黒く焦げ残るので燃えさしを取り除いたらまわりの土とブレンドして埋め戻し、最後は周りの枯葉まで撒いて、小さなゴミも見逃さないようチェックして、キャンプした形跡を残さない…僕らが当時、直火にこだわったのはこの一連の、撤収までの流れだった。


今風に言えば厨二的な、サバイバル術とかに影響されていたのかもしれない。でもこの、生活痕を残さず撤収する、自然へのダメージを最小限にする、ということになぜかものすごくこだわっていた。

 

そんなだから食器を洗うにしても、洗う前にお湯を沸かして油を浮かせたり、ロールペーパーでこびりつきをぬぐったりして、食べカスや油をできるだけ取り除いてから少量のエコ洗剤で洗う。

もちろん使ったロールペーパーは焚火の燃料に。ごみの持ち帰りは当然、キャンプ中に見つけた他人が捨てたゴミも。

 

なんでそんなことしたのかって?

 

自分たちが泊まるところが他人の手あかがビッシリ残ってるなんて嫌だったから。


僕らはキャンプという行為に、非日常の冒険感を求めに来ていたのに、着いたところが、みんなが生活している広場だなんて悲しすぎるじゃないか。

やはり冒険というからには、前人未到の、まだ誰も見ぬ世界を感じたい。子供心にそう思っていたんだな。だから許せなかった。誰かが残した焚火の跡や飲み干した空き缶、スーパーのビニール袋、おつまみの袋の切れ端。とにかく他人を感じさせるものが、僕らの純真な冒険心には耐えられないほどに不純物だった。

だからせめて僕らは痕跡を残してやるものかと。十分楽しんだうえで、僕らがそこにいたということをだれにも知られないように。

 

という、野営のようなキャンプが殆どだったなぁ〜と、昔よくお世話になったキャンプ場をGoogleマップで擬似キャンプの気分を味わおうとしたら、廃業していた。


ちょっと泣けた。